沖縄における現在の在来木造住宅の落とし穴

さて、いきなり少し怖いタイトルを書きましたが、びっくりされたことと思います。
以前より気になっていた事なのですが、日本本島では在来木造のシェアは高く、沖縄程心配はいらないのですが、今の 沖縄の在来木造の現状は頭をかしげる事が多くあります。
まず昔は大工(棟梁)に依頼をし、手加工で骨組を造っていたものですが、30年前位よりプレカット(コンピューターによる 機械加工)が出て、今では殆どがプレカットです。本来の伝統工法を取り入れた建築は、神社仏閣位しかなく、それは本来の宮大工に依るものです。
又、材木もそれ用に適材適所で材種を決め、自然乾燥を何年もかけて手間暇かけているものです。
当然費用も別格です。
一般住宅はどうでしょう?そこまで費用をかけてされる方はそうそうおられないと思います。
やはり投資対効果を考えれば安価で、良質で、長持ちで、強くて、使い勝手が良い事、そうなると思います。
ならば、大工と言われる方に個人個人の腕の良し悪しで構造の安心が持てるでしょうか?
又、仕口の種別と使い方の根拠、材種の選別。今の一大工に任されるものではありません。
プレカットの出始めは、色々と問題はありましたが、試行錯誤をくり返しながらかなり精度の良いものになっています。
コンピューターも年々グレードアップをしております。
ただそれを取り扱っているのは経験の少ない人がやっているのが現状です。設計図が出来、それをプレカットのコンピューターに 入力すれば加工図・伏図等簡単に出来るものですが、それをプレカット会社まかせでは、お客様の住まいの思いどころか、施工会社、 設計者の意志は反映されていないのが現実です。
又、それを分かる施工会社、設計者は殆どいないと思っています。
大工に影響されない工法で構造計算された頑丈な、少し過剰設計くらいの建物も最近はあります。それ自体の単価は高価で間取りに 融通性があまりないのが気になります。
鉄骨造の鉄の部分が集成材に変わったと考えれば分かりやすいかなと思います。
いずれにしても在来木造は、お客様・設計者・施工者・プレカット工場がスムーズに連携してこそ生かされると考えます。

次に確認申請や瑕疵保険等、行政機関のあり方について考えてみます。
建築基準法は昭和ニ十五年に制定されて以来、建築に関わる法は様々です。地震等災害が起こる度に改定されて告示等で通達されます。
これは今の建築界に於いて、後対に守らなければいけません。
昭和の、建てては壊し建てては壊しの時代から五十年・百年保つ建物、ストック時代に変わっていく中、異常気象が普通になってきている昨今、 地震、台風等に巨大化してきている。その事も考慮され、人の生命・財産を守る日的て利定された法律です。今だからこそ守るべきものと考えます。
だが、残念にも受付窓口でさえ、取り入れてないのが沖縄の確認申請のあり様です。ということは、 簡易な木造二階建て以下面積の制限は有りますが、一般に四号物件といいますが、その建物の確認申請をしている設計事務所・建築会社がその告示を チェックしているかどうか調べるすべは私にはありません。
又、そのチェックを木造のこと、法律の事を分かっているかどうか定かではありません。

白蟻についても考えてみます。自然の生物で生態は色々と調べられていますが、完璧な対策は無いと考えます。沖縄に於いて白蟻の住みやすい地域で、 最近ホウ酸が良いと言われているようですが、それは日本本島の事で、それでも完璧では有りません。他と比べれば良いというものです。沖縄でも 通用するのか或る団体で二年がかりで実験をしています。
その結果は、ホウ酸処理でも被害が出ました。
結局、材料に散布ではなく、中まで浸透させたうえ、白蟻の嫌いな事を工法に取り入れる事が大切だと思います。
又、定期的なチェックも必要です。特に新築でまだ白蟻が来てもいないのにわざわざ白蟻を呼び込む様な対策はナンセンスと考えます。
色々調べましたが、もちろん弊社は以上の事をやった上でお客様と向き合っています。安心してもらえると思っております。

最後に色々な事を述べましたが、どうするか決めるのは貴方次第です。決して後の祭にならないよう心よりお祈り致します。

普通に建てていれば数年ではその被害は表裏しにくい事をつけくわえて終わりにします。